滋賀県の山々をつないで、ぐるっと一周するロングトレイル「Shiga1」。総距離438km 累積標高28,200m(本人計測値)という壮大なコースのFKTチャレンジを、6日間と12時間10分という記録で走り切った丹羽薫選手。

丹羽薫選手の「Shiga1FKTチャレンジ」を支えたサロモン製品のレビューを2回に渡ってお伝えします。

第2回はアパレル&バックパック編です。「S/LAB NSO MID TIGHT W」と「ADV SKIN 8 SET W」を使用した丹羽選手のレポートです。

S/LAB NSO MID TIGHT W

昨年から愛用し、トルデジアンやオマーンのレースでも使用したNSO MID TIGHTは今回のShiga1 FKTでも大活躍の1着で、主に暑い日中に使用しました。

7分丈のタイツなんて暑そうとか、足上げの妨げになるんじゃないか?と思う人も多いと思いますが、このタイツに限っては、超薄手のストレッチ素材で、しかも37.5テクノロジーを使用した速乾性の生地を使用しているため、微妙な体温の変化に対応してコア体温を維持するため、筋肉を冷やしすぎることも、熱がこもりすぎることも無く、最適なパフォーマンスを発揮し続けてくれます。自然の素材に 37.5テクノロジーが融合し、速乾性においては類似製品の 5 倍以上だそうで、確かに30度を超える日中に長時間使用しても蒸れる感じは全くありませんでした。肌触りのよさは洗濯しても劣化しません。

下着のように超薄手で、ストレッチ性も抜群なため、足上げを妨げる感覚は全くなく、その上、藪などから足を守ってくれるので、この草木の茂った時期の日本のトレイルではかなり助かりました。

そしてこのタイツの最大の特徴は、生地の内側(肌に当たる面)に配置された渦巻き状のパッチ。これは酸化鉱物粒子をパッチに凝縮させて、体のエネルギーを筋肉により集中的に反射させるユニークな NSO ACTIVEというもので、パッチはトリガーポイントに配置されており、筋肉の緊張や細胞バランスを改善し、回復を促進させます。

実際昨年から100マイルレースやそれ以上の距離で使用していますが、筋疲労が大幅に軽減され、長持ちしてくれているのがわかります。

今回のShiga1 FKTでも、夜間は色々なところで眠くなったら寝るので、虫に刺されないようにとか、防寒も兼ねて足首まである長い普通のコンプレッションタイツを履いていたのですが、あきらかにNSO MID TIGHTに履き替えた時のほうがパフォーマンスはあがっていました。

最終日も昼にサポートエイドに到着して、こちらのタイツに着替えて走り出したところ、既に400キロも走っている足の重さや疲労感が嘘のように、また走ることが出来ました。足首までのロングバージョンも作って欲しいところです!

私は今回タイツだけで使用しましたが、S/LAB Modular システムの一部であるため、お腹の所のボタンに留める形の伸縮性のウェストベルトを付けたり、スカートやショーツをあわせたりも出来ます。タイツだけはちょっと恥ずかしいなぁという方は是非色々コーディネートしてみてください。

筋肉は最適な温度下で最高のパフォーマンスを発揮します。最適な温度で維持し、しかも筋疲労を軽減してくれる素材のタイツは、ロングレースや普段の山行でも大活躍してくれますよ。是非お近くの店舗で、その肌触りや薄さを実感してください。

S/LAB NSO MID TIGHT W

SIZE:XS / S / M

¥16,000+Tax

ADV SKIN 8 SET W

今回Shiga1 FKTで使用したバックパックは、昨年から愛用している女性専用で8リットルのADV SKIN 8 SET W。

悪天候の場合は荷物も増えるので、防水モデルのXA15にしようと思っていたのですが、ずっと快晴が続き、気温も高く、サポートもつくことから、夜間に山中で寝るためのエマージェンシービビーを持って走っても、8リットルで十分だと判断しました。

このバックパックは生地に伸縮性があり、実際には8リットル以上の荷物を入れられるため、暑い区間で水分を多めに持って行かないといけない時も、しばらくサポートに会えない区間で、多めの食料やビビーを持って走らないといけない時も問題なく収納出来ました。

これだけの長時間ザックを背負っていると、どこかに擦れが生じたりしてくるものですが、今回6日間以上バックパックを背負い続けても、全く問題ありませんでした。

そして、前面にフラスク2つを入れ、更にその前のポケットに食料とスマホ、充電器を入れ、脇の下当たりの側面のポケットには、シェルや食料を入れていました。

夕暮れ前にはそこにヘッドランプを入れておいて、暗くなったらすぐに取り出せるようにして、とにかく止まらずに必要なものが取り出せる状態で動き続けます。

また肩の部分にも伸縮性の小さなポケットが両サイドにあり、私はいつも左側にfinetrackのナノハンカチ(手を拭いたり鼻をかんだりするだけでなく、暑いときには何度も川の水をつけて首を冷やすのに活躍しました。)を入れて、右側にはカツサプなどのサプリメントやカフェイン錠、岩塩タブレットなど、ここぞというときすぐに取り出したいものを収納してます。

何かを取り出すために止まる行為は、ショートレースでも大きなロスタイムとなりますが、ロングレースでもリズムを崩すので、極力必要最低限にしたいのです。

そして特に疲れてきた場合、取り出しにくいものをわざわざ止まってザックを降ろして取り出すということが本当に億劫になってきます。補給のタイミングが遅れたり、肌寒いと感じた時にシェルを羽織ることをためらったりすることによって、後で挽回が難しくなる状況を作ってしまうこともあります。

そのため、バックパックに沢山ポケットがあり、止まることなく多くのポケットに手が届くというのは非常に重要です。

また、今回は暑さや貧血から、途中何度か気分が悪くなり、嘔吐することがありました。こんなとき胸を圧迫したくないもので、女性向けにデザインされた胸部のダブルストレッチ構造(前部ポケットがある幅の広いショルダーストラップ部分)が、胸周りにぴったりとフィットするので、ザックの前部のドローコードをきつく締めなくても、バッグが弾まず安定し、息苦しい締めつけ感もなく快適になり助かりました。

付属でついてくるフラスクボトルにも工夫があり、女性の体にフィットするよう設計された三角形の薄型フラスクで、胸の下に配置されるので圧迫感がありません。また、ストローが付いているため、水を飲みたいときに、フラスクに顔を近づける必要が無く、こまめな水分補給を何度も繰り返すことが重要になってくるロングトレイルでは、とてもありがたい構造です。今回暑さのためにかなり水分が必要だったので、毎回サポート場所でこのフラスクを3本用意してもらって、(別売でフラスクのみ、ストローのみも購入できます。)2本はフロントポケットに、もう1本は背面のジッパーがあるコンパートメントに収納していきました。背後に収納する1本にはストローはつけず、通常のバルブを付けておき、前に収納しているフラスクの水が無くなったら、このリザーブ用を取り出して、ストローだけを付け替えて使用しました。このストローの付け替え部分の構造は今期から変更になり、より素早くリザーブ用フラスクと交換できるようになりました。文章ではわかりにくいので、写真をご覧ください。

そして今まで気が付かなかった特徴にShiga1 FKTの間に気が付きました。

森の中でいい枕になる!そのソフトな肌触りが最高の枕になりました(笑)

というのは冗談ですが、背面に沢山のリフレクターがついていることに気が付きました。

これは夜間走らないとわからないですが、かなり光ります。ペーサーをしてくれた友人の女性が同じザックを背負って前を走ってくれていたのですが、暗闇の森の中で、その光は非常に頼もしいものでした。

これはおそらく、夜間にロードを走ったりした場合、車からの視認性が非常に高く安全でしょう。

もう一つはカスタマイズを可能にするために、色々なところにコードやループがついていることです。コードは取り外し可能で、必要ないものは外せます。使わなくなったループに、日中は熊鈴、夜間はBluetoothスピーカーをポーチ(実は岡山トレイルランニング協会からいただいたごみ拾い用ポーチ!)に入れて、それをループにフックしてベルクロをドローコードに固定。これで日中はペーサーと沢山おしゃべりしながら、熊鈴リンリンいわせながら走り、夜間は眠くて無口になることも多かったし、走ってないと熊鈴はあまりならないので、スピーカーから音楽をかけながら、動物たちに自分たちの存在をアピールしながら進みました。かなり熊のいるエリアで痕跡も沢山ありましたが、おかげで出くわすことはなかったです。みなさんもこのループを使って、自分の使いやすいように色々カスタマイズしてみてくださいね!

サイズは2XSからLまであります。私は2XSを使用しています。フィット感やサイズ感は実際に背負ってみないとわからないですが、沢山荷物を入れた時と何も入れない時ではフィット感もサイズ感も変わってきますので、是非お店で実際に荷物を入れてもらってお試しください。

ADV SKIN 8 SET W

SIZE:2XS / XS / S / M / L

¥15,000+Tax