サロモンのバックパックというとトレイルランニングのベストパックを思い起こす方が多いかと思いますが、トレッキング・マウンテニアリング用のバックパックも作りづけています。今回新たにラインナップに加わった「OUTバックパックシリーズ」は、今までのバックパックと一線を画すものとなっています。
昨今のアウトドアギアは軽量コンパクトになり、10年ほど前に比べても5リットルから10リットル、パック容量を下げても十分パッキングができるほどになりました。
元来スピードハイクを得意とするサロモンが、ベストパックから培ったノウハウを如何なく踏襲したのがこの「OUTバックパックシリーズ」です。
モデルは、日帰り、夏場の山小屋泊対応の「OUT DAY 20+4」、山小屋泊に最適な「OUT NIGHT 30+5」、縦走も対応できる「OUT WEEK 38+6」の3型、そして女性専用設計を施した「OUT DAY 20+4 W」と「OUT NIGHT 30+5 W」の2型、計5型がラインナップしています。
まずは共通している部分を紹介致します。
① フロントポケット
モデル名にある20や30はメインコンパートメントの容量で、その後の「+〇」はフロントポケットの容量なんです。そんなにマチがあるようにみえないのですが、生地に秘密があります。サロモンの人気トレッキングパンツ「ウェイファーラーシリーズ」に使用されている4WAYストレッチ素材をフロントポケットの生地に使用しているので、そのストレッチ性を活かしてモノを入れ込むことができるんです。もちろん何をせずとも適度なコンプレッションを掛けてくれます。因みにサイドポケットも同素材を使用しているので、ボトルなどを入れてもしっかりホールドしてくれます。
② 背面
「OUTバックパックシリーズ」のキモとなるのが背面です。背面パッドは全部で6つのパーツに分かれておりフィット感、そして体の動きを追随してくれます。更にこの背面パッドは前面が張り付いているわけではなく左右のパッドの中心部分(背骨寄り)だけが縫われています。これにより背面パッドが羽のような状態となり、無造作に突っ込んだパッキングをしたとしても背面形状は左右をされることなく背中にフィットしてくれます。本体に縫い付けられておらず、また肉抜きをしているので、通気性は抜群!すこぶる快適です。
③ ハーネスとウエストのスタビライザー
②の背面機構ですとパックが暴れる(左右に振れる)のですが、ハーネスの上部と背面パッド、そしてウエスト上部と本体がストレッチ性のスタビライザーで繋がっています。これが“腱”のような働きをし、パックが暴れるのを抑制します。
④ ハーネス
ハーネスも十分な厚みのパッドに肉抜きが施されているので、しっかりと荷重を受けながらもフィット感がよく、通気性も併せ持っています。右手側のハーネスにはソフトフラスクポケット、左側にはスマホを入れるのにちょうどよいポケットで、ストレッチ素材を使用しているので程よいコンプレッションがあり、上下に揺れることもありません。ストラップはV字式を採用し、根元は背面パッドの脇下にあり、ハーネスエンドを経由して本体下部に繋がっているので、羽状の背面パッドが体に吸い付くようにフィットし体の動きを追随しつつ、本体の暴れも抑制しています。
ちょっと変わった部材を使っているのがチェストストラップで、通常バックル式でセンターで留める形が多いのですが、左右のハーネスに立て走るレールにチェストストラップ先端のクリップを咬ませるという新しい部材が使われています。左右にクリップが付いているのでどちらでも着脱可能です。
⑤ ウエスト
ストラップは左右逆引きを採用しているので、片手で抑えなくてもしっかりと締め込むことができます。コンパクトデジカメが裕にはいるポケットは行動食やアメを入れておくにも重宝します。ウエストの根元上部には③で記したストレッチ性のスタビライザーが本体と連結されているので、腰のフィット感も抜群です。
⑥ メインコンパートメントへのアクセス
いずれのモデルもパック正面向かって右側の縦ジッパーはフロントポケット、左側はメインコンパートメントアクセス用のジッパーになっているので、上部から荷出しせずとも取り出すことができ楽です。フロントポケットのジッパーは背負ったままでも開けることができるので、レインウェアなどを入れておけばパックを降ろすことなく、行動中に取り出せ、着用することができます(背負ったまま取り出し⇒ウエストは締めている状態でハーネスだけを脱ぎレインを着る⇒ハーネスを装着し、ウエストを緩めてレインをしっかりと着衣して完了)。サロモンらしい仕様となっています。
⑦ フロントコンプレッション
フロントはバックルがひとつしかなく、一本締めのようですがストラップが二又になっているので、効率よくコンプレッションを掛けながら締め込むことができます。
【OUT NIGHT、OUT WEEK】
トップリッド(天蓋)は簡単に取り外すことができ、スタッフサックとして使用することも可能。またハーネスにあるスタビライザーの根元にトップリッドのクリップ式バックルを取り付ければチェストバッグとしても使用ができるので、地図や行動食を入れておくのに便利です。トップリッドを外したとき用のバックルがちゃんと付いているのでコンプレッションも問題ありません。
【OUT WEEK】
一番容量の大きいOUT WEEKはメインコンパートメントへのアクセスジッパーがU字に開くので、視認性がよく、中のものを素早く取り出すことができます。
もちろん内部にはハイドレーションポケット、フロントにはトレッキングポール装着ストラップも備えています。
これだけの機能と仕様で、OUT DAYの自重は671g(サイズ:M / L)、OUT NIGHTで756g、OUT WEEKで815gと超軽量に仕上がっています。
是非一度、この抜群のフィット感と機能性をお店で試してください。コストパフォーマンスの良さにも驚くはずです。
サイズはいずれもS / M、M / Lの2サイズがあります。
目安としては背面長(ちょうど肩の位置の頸椎~骨盤の一番上の高さの背骨の長さ)
【OUT DAY、OUT NIGHT、OUT WEEK】
43~49㎝ ⇒ S / M
48~54㎝ ⇒ M / L
【Womensモデル】
38~44㎝ ⇒ S / M
43~49㎝ ⇒ M / L
ご自身で測るのが難しい場合はお店で測ることをお勧めします。
OUT DAY 20+4
・価格:12,000円+税
・容量:24L
・パックサイズ展開:S / M、M / L
・サイズ:52×25×22cm
・重量:671g(S / Mサイズ)
・カラー:全3色
OUT NIGHT 30+5
・価格:15,000円+税
・容量:35L
・パックサイズ展開:S / M、M / L
・サイズ:67×26×26cm
・重量:756g(S / Mサイズ)
・カラー:全3色
OUT WEEK 38+6
・価格:16,000円+税
・容量:44L
・パックサイズ展開:S / M、M / L
・サイズ:70×27×27cm
・重量:815g(S / Mサイズ)
・カラー:全3色
OUT DAY 20+4 W
・価格:12,000円+税
・容量:24L
・パックサイズ展開:S / M、M / L
・サイズ:48×21×21cm
・重量:658g(S / Mサイズ)
・カラー:全2色
OUT NIGHT 30+5 W
・価格:13,000円+税
・容量:35L
・パックサイズ展開:S / M、M / L
・サイズ:66×24×25cm
・重量:742g(S / Mサイズ)
・カラー:全2色