1泊2日 至福のネイチャー・ライフスタイル特別体験

11月30日から12月1日の期間限定で、富士山麓にSalomon Lodgeが誕生。
S/PLUS会員様限定で、抽選で20名様に『1泊2日 至福のネイチャー・ライフスタイル特別体験』をプレゼントさせていただきました。

世界に誇る霊峰富士の麓で、1泊2日の最高のアウトドア体験を提供。
東京から約90分、総合エンターテインメント企業がプロデュースする富士山麓にひっそりと佇む普段公開されていないシークレットロッジが、11月30日(土)から12月1日(日)の2日間限定で「Salomon Lodge」と生まれ変わり、訪れる人々を至福のネイチャー・ライフスタイル体験へと導く。

都会の喧騒を離れ、富士山が生み出す大自然の中でのグラベルランや湖を望むトレイルラン、そして神秘の森「樹海」を楽しむ。
また、夜は富士山麓で育ったジビエや地産食材を中心に、西湖の湖畔のレストランにて「ゴ・エ・ミヨ」を3年連続受賞した一流シェフが提供するストーリーのある料理の数々を満喫する。宿泊はSalomon Lodgeで、自然の中で新たな仲間とともにゆったりとした時間を過ごす。

今までにない1泊2日の特別プログラムとなりました。富士山麓を五感で感じた2日間の様子を、どうぞお楽しみください。

― Day 1 ―

富士山には雲一つかからず、どこからでもきれいに見ることができるイベント日和。

午後12時半、参加者の皆様は富士山駅に集合。
富士山駅でバスに乗り込み、本日のイベントスタート地点富士北麓公園に移動します。

-Gravel Running-

富士北麓公園でシューズを受け取り、着替えを行います。
参加者の方も私も皆様はじめましてのメンバーなので、それぞれ自己紹介。
今回のイベントナビゲーター浦谷美帆選手による準備体操を行いイベントスタートです。

富士北麓公園~中ノ茶屋~馬返し(大文字小屋)まで行き中ノ茶屋に折り返す約9kmのルート。
富士北麓公園から中ノ茶屋までは緩い登りが続き、路面も落ち葉が敷き詰められたふかふか走りやすいトレイルです。

中ノ茶屋には2.5kmほどで到着。
中ノ茶屋は通常4月から10月の営業ですが、特別にオープンしてくださり一度休憩。水分と少しエネルギー補給を行い再度スタートです。
皆さんまだまだ体力はありそう。気温も止まると寒いですが動くとちょうどよく運動にはよい気温です。
中ノ茶屋は300年以上の歴史を持つお茶屋さん。ご当地の名物「吉田のうどん」の提供も行っており休日はうどん目当てにいらっしゃるお客様も多いようです。

そして、富士吉田にお住いの方は中ノ茶屋を起点に、「富士山より上」、「富士山より下」と呼ぶそうです。
富士山より上は死後の世界と考えられており、富士山から下山してくると生まれ変わるといわれていたことが影響しているそうです。

再び中ノ茶屋から3.5kmほど走ると馬返し(大文字小屋)に到着です。
先ほどのルートより少し傾斜がある道ですが、声を掛け合って楽しく走ることができました。スタート地点とはまた違った空気感・景色に癒され、はじめましての参加者の方同士も一緒に走ることで少しずつ距離が縮まっていきます。

馬返しは富士山の標高1450mに位置する富士登山の中継地点です。
馬返しは字の如く、「登山路で道が険しくなり、乗ってきた馬を帰して徒歩に変わる地点」とされてきました。
また、“四つ足”である馬は神聖な富士山へは登らせないとも考えられていました。

馬返しから再び中ノ茶屋に戻ります。登りはきつかったですが、下りは楽しいと最後は楽しみながら戻りました。
中ノ茶屋では富士山麓で作られたハーブティーをいただき、ほっこり。疲れも癒されます。

9kmのランを終え、いよいよ一般公開されていないこの日限りの宿泊場所「Salomon Lodge」に向かいます。

―Salomon Lodge―


普段は宿泊できない場所を、今回特別に「Salomon Lodge」とさせていただきました。

―Restaurant SAI-

グラベルランニングの後はお楽しみのディナーです。
西湖湖畔に佇む「Restaurant SAI」雄大な自然に囲まれた地ではぐくまれた食材を中心とした「奥・山梨料理」をご堪能いただきました。
その日に収穫できる食材を使った唯一無二のシェフお任せのコース料理。山梨産ワインや日本酒、クラフトジンなどをペアリングに取り入れ、シェフが繰り広げるストーリーを融合させた新たなエンターテイメント・ディナーとなりました。

―Salomon bar-

レストランで食事をお楽しみいただいた後はSalomon LodgeでSalomon barを開催。
本日行ったグラベルランニングやディナーのお話をしたり、皆様の交流の場になれたのではないでしょうか。

―Day2―

―Morning YOGA―

2日目の朝は浦谷選手による心地よいYogaからスタート。
前日に10kmほど走り・夜遅くまでbarを楽しみ疲労の溜まった体をほぐし、気持ちをスッキリさせることができる素敵なYoga。

とても冷えますが空気が気持ちよく、2日目も雲一つない空の下イベントがスタートしました。

「白い息が」

―JUKAI Walking & Gravel Running―

2日目はウォーキングとランニング2チームに分かれて開催。ここではランニングチームの様子をご紹介。
ランニングチームは宿泊先からバスで三湖台の麓へ移動し、三湖台~樹海~根場浜の約7kmのトレイルを走ります。

トレイルランニングは初めての方も多かったのですが、2日目にはすっかり慣れた様子で下りも登りも楽しみました。
三湖台に上がる途中のレストハウスで富士山がくっきり。

1日目の疲労もありましたが、登り切った先には絶景が待っていました。
三湖台という名の由来である「西湖・精進湖・本栖湖」を樹海とともに見下ろすことができる場所に到着!

後ろを振り返ると大きな富士山が。

三湖台を下り樹海に入ります。樹海に足を踏み入れると今までとは異なる空気を感じ、景色も一変しました。
苔が生えた木々や岩、凍った地面・大きな洞穴―
富士山の溶岩が流れ込み出来た樹海や洞穴は自然の大きさを感じました。

樹海を抜け根場浜に向かいます。

根場浜からはきれいに雪をかぶった美しい富士山が。
樹海ウォーキングチームと合流し、2日目のイベントも終了です。

ランニング・ディナー・サロモンバー・宿泊まであっという間の2日間でしたが、無事にイベントを終えることができました。

今回参加者の方はトレイルランニングは初めてという方が主で、トレイルランニングはもちろんのこと、5km以上走る、レストランでのディナー、富士山が初めてなど沢山の初めてがありワクワクした気持ちでご一緒させていただきました。

サロモンというブランドを知っていただくきっかけ、そして自然に触れるきっかけとなっていれば幸いです。
ご参加くださった皆様ありがとうございます。
来年以降もこのようなイベントを開催していきたいと思っておりますので、皆様のご参加お待ちしております。

今後のイベントの詳細  

サロモンイベントページ  

サロモンジャパンinstagram

サロモンストアinstagram

上記のいずれかからご確認ください。

S/PLUS について

今回のイベントは、サロモンのメンバーシッププログラム S/PLUSの1周年を記念したキャンペーンとして開催しました。

S/PLUSは、店舗・公式オンラインストア共通のメンバーシッププログラム。会員限定のイベントなど、様々な特典をご用意しております。さらに、S/PLUSメンバーは商品の購入、来店、サービスの利用でマイルが貯まり、年間累計獲得マイルに応じてS/PLUSランクがステージアップ。入会は完全無料です。

今すぐS/PLUSに登録をして、プレミアムなサロモン体験を。

今回利用したシューズ

DRX DEFY GRVL
ランニングはアスファルトが途切れたところで終わるわけではありません。Drx Defy Grvl は、舗装路から外れても走り続けられる軽量トレーニングシューズ。足を包み込むようなデザインで安定感がよく、適度なサポートをもたらします。オフロードの砂利道も恐れずに。

今回は、参加者の皆様にGRVL(グラベル)シューズを履いていただきました。
GRVL(グラベル)とは…グラベルトリップ What is Gravel Running?

オンロードもオフロードも1足で楽しめる、富士吉田のように町からすぐ山に行ける環境にぴったりな、トレイルシューズとランニングシューズの中間に位置する万能ロードシューズ。
程よくクッションがあり底はグリップ付き、雨の日の街ランや長い砂利道を歩くときなどトレランじゃない日にも履いていただけます。

参加者の方にも履いていただきロードはグリップが気にならず走ることができ、山の中ではグリップが効き滑らずに走ることができるというお声をいただきました。

DRX DEFY GRVL
男性用ランニングシューズ
DRX DEFY GRVL
女性用ランニングシューズ



板橋 黎華 / Reika Itabashi

・Salomon marketing team

社会人になりトレランを始め、休日はアルプス縦走、テント泊など山でのアクティビティーを楽しんでいる。

12月21日(土)より、Salomon XT-WHISPERが発売いたします。

発売を記念して、前日の12月20日(金)には、ファッションディレクターUCHIによるコミュニティイベント「THE HOLIDAYS」を下北沢にある商業施設BONUS TRACKにて開催。

SalomonのDNAとXTのデザイン系譜を受け継ぐ XT-WHISPER は、独特の質感やレイヤー構造による高級感のある仕上げを特徴としています。コントラストのあるディテールが際立ち、リッチな素材を用いたアッパーがモダンな印象を与えます。また、独自の波状のSensiFitとQuicklace を組み合わせることで、フィット感のある信頼できるホールド感を実現しています。

個性と伝統的なランニングテクノロジーを追求し、トレイルランニングシューズとして登場した XT-WHISPER を限定カラーで復刻した今作。
トレイルランニングの伝統を称え、オリジナルのクラフトマンシップと自己表現へのコミットメントを忠実に再現しながら、機能性とスタイルを妥協することなく再解釈された特別な一足となっております。


■THE HOLIDAYS
UCHI COMMUNITY EVENT Powered by Salomon Sportstyle

XT-WHISPER の発売を記念して、12月20日(金)にファッションディレクターUCHIによるコミュニティイベント「THE HOLIDAYS」を下北沢にある商業施設 BONUS TRACK にて開催いたします。

Super Zooが今回のイベントの空間デザインを手掛けており、XT-WHISPERをいち早くチェックすることできる他、ヴィンテージストア「PORTRATION」による、ヴィンテージSalomonを中心としたポップアップストア、今回の為に制作されたグラフィック使用したシルクスクリーンプリントなど、様々なコンテンツを用意しました。

また、来場者には数量限定でSuperZooによる、MDディスクをリメイクして作成したキーホルダーのノベルティをプレゼントいたします。
老若男女お楽しみいただける一夜限りのイベントとなっております。
ぜひお気軽にお越しくださいませ。

会場:BONUS TRACK SHIMOKITAZAWA
住所:〒155-0033 世田谷区代田二丁目36番12号~15号
日時:2024年12月20日(金) 17:00~21:00
入場無料


〈UCHIによるコメント〉
Salomonは、トレイルランやスキー、スノーボードなど、様々なアウトドアアクティビティの分野で圧倒的な存在感を放つ一方、その垣根を超えたコミュティづくりを大切にしています。今回のイベントは、私が生活する下北沢にある商業施設「BONUS TRACK」を会場に選びました。下北沢もまた、世代を超えた、様々なカルチャーが入り混じりる、魅力的なコミュニティーが根付いている街だと思います。SuperZooさんによる空間デザインや、PORTRATIONによるヴィンテージが、Salomonと出会うことで、どんな化学反応を起こすのかが楽しみです。ホリデーシーズンに相応しい、様々なコンテンツを用意した、老若男女誰でも参加できるコミュニティイベントです。

〈SuperZoo〉
クラフトアイテムを中心にTOYや雑貨を展示販売するショップ。ファッションブランド、百貨店、店舗など様々な空間に合わせた独創性の高いプロップ製作、空間演出を行っている。

〈PORTRATION〉
音楽、映画、アートなど、ジャンル問わず当時のカルチャーを背景にした希少なヴィンテージTシャツを中心に取り扱うショップ。2014年にアポイント制ショールームをスタート。都内はじめ地方都市やアジア圏でのポップアップ開催、アートギャラリーでのヴィンテージポスターの展示、コレクションブックへの資料提供など、当初よりヴィンテージショップの枠には収まらない活動を続け、2019年に渋谷区神宮前エリアに実店舗をオープンさせた。

〈Salomon Sportstyle〉
1947年にフランスで創業して以来、アウトドアフィールドにおける長年の経験と確かな知識に基づき、革新的な製品を生み出し続けているサロモン。2015年にスタートしたSPORTSTYLEは、ブランド由来の斬新なデザインとアウトドアシーンで必要な機能はそのままに、素材やカラーリングをアップデートさせ、街へと還元したSNEAKERS、ADVANCED、INTERSECTIONの3つのカテゴリからなるファッションライン。

トレイルランニングのウェブメディア、DogsorCaravanを運営している岩佐幸一と申します。2024年11月に中国・浙江省臨海(リンハイ)市を訪れ、中国最大規模にして最も人気のあるトレイルランニングイベントといわれている「Tsaigu Trail」(柴古唐斯括苍越野賽)を取材しました。取材を通じて私が見た最新の中国トレイルランニング事情を前編と後編の2回にわたって紹介しています。

前編では、この大会の特徴や参加された選手の声に加えて、大会パートナーのサロモンが開催した企画「トレイルランニング・ショー」で日本と中国、韓国のトレイルランニングのカルチャーについて語り合った経験を紹介しました。後編ではハイレベルなレースを目の前で観戦し、その翌日に自ら25kmのレースに参加して感じたことをお伝えします。

趣向を凝らした演出、高いトレイルランニングへの関心、ハイレベルなレース

臨海市の歴史的な街並みが保存、活用されているエリア「台州府城」で選手受付やトークイベントが開催された金曜日は、終日台風による豪雨でした。そして台風が去った翌日の11月2日土曜日に105kmと50kmのレースが行われました。この日は台風一過の快晴となりましたが、前日までの大雨でコース上に危険な箇所があるためコースが一部変更されることに。元のコースに比べてトレイルのセクションが短く、ロードが長くなったことから、スピードが勝負を握るレースとなりました。前夜の大雨にもかかわらず、当日の朝には変更後のコースにしっかりコースマーキングがされており、大会運営スタッフの迅速な仕事ぶりが窺えます。

レースのスタート、フィニッシュとなるのは台州府城の南側の城壁にある興善門広場で、歴史的な建造物である城門を組み込んだ形でスタート・フィニッシュゲートが設営されています。大型のLEDスクリーンがゲート横のステージ上だけでなく、ゲートの前にも四方に向けて箱型に組まれたLEDスクリーンがあり、さらにゲートの表裏両面もLEDスクリーンとなっていて、さまざまな動画やアニメーションがリズミカルに動いています。トレイルランニングの大会でここまで惜しみなくデジタルサイネージを使った演出をしているのは初めて見ました。

スタートを待つ選手の真ん中からライブパフォーマンスで会場を盛り上げる。

ゲートの前のスタートを待つ選手たちが並んでいるエリアの真ん中には仮設のお立ち台が設けられています。ここから大会MCが選手に囲まれながら大会を盛り上げたり、ミュージシャンがギターを片手にシャウトしたり、ダンサーがドラムを叩きながら踊ったり、とスタートに向けてムードを盛り上げます。

スタートを待つ選手たちの頭上には数えられるだけでも6、7機のドローンカメラが飛んでいて、中には選手の頭上50センチほどを飛び回るものもあります。極め付けはスタートと同時にゲートの左右それぞれ20メートルほどに並べられた専用機材から3メートルの火花が噴き上がりました。世界広しといえどもトレイルランニングイベントでここまでの演出をする大会は他にないでしょう。ただ、むやみにお金をかけた派手な演出をしようというのではなく、冒険の旅に出発しようとする選手を激励し、冒険の主人公として送り出したいという熱意を感じました。

―50kmのレースをリードする上田瑠偉選手。

午前5時に105km、午前6時30分に50kmの選手のスタートを見送った後も驚きは続きます。この大会ではレースの上位を走る選手の様子をカメラが追うライブ配信が行われました。このライブ配信も、二つのレースの男女の上位選手がコース上で走る様子を、ほぼ切れ目なく高画質の生中継でカバーするという臨場感にあふれた優れた内容でした。驚かされたのは、WeChatの大会公式アカウントで配信されたこのライブ配信の同時視聴者数が、私が見ていただけでも最大で14万人近くに達していたことです。私はYouTubeで世界各地のトレイルランニング大会のライブ配信を見ていますが、世界的な人気大会であっても同時視聴者数は1万人を超えればかなり多い方です。中国が世界最大の人口を抱えることを考慮したとしても、トレイルランニングやTsaiguという大会が広く中国社会で注目を集めていることがわかります。

レースの結果は、50km男子で日本から参加した上田瑠偉選手が優勝しました。中国でよく知られたトップ選手に最後まで追われながらもリードを守り切った鮮やかな優勝は現地のメディアでも話題になりました。レースを終えた上田選手は握手や記念の写真撮影を求める人に囲まれる人気ぶりでした。50kmの女子ではサロモンアスリートの姚妙(ヤオ・ミャオ)選手が優勝。UTMBのCCCやOCCで優勝しているヤオ選手は、Tsaiguでは今回が4度目の優勝です。105kmのレースには日本のサロモンアスリート、板垣渚選手が参加し、男子29位でフィニッシュしました。

―中国のトップ選手を相手に、上田瑠偉選手が優勝。
 

―上田選手と50km女子優勝の姚妙(ヤオ・ミャオ)選手。

ちなみに、50km、105kmともに男子の上位4、5名の選手はITRAのパフォーマンスインデックスで900、同様に女子の上位4, 5名は105kmでは720、50kmでは700を超える実力の持ち主です。Tsaiguほど上位入賞する選手のレベルが高い大会は、世界を見渡しても片手で数えられるほどしかないでしょう。

―板垣渚選手は105kmのレースを完走。

【実際にレースを走ってみた】ハードなコースながら熱烈な応援やおもてなしがうれしい

二つのレースの翌日、日曜日には25kmのレースが行われました。私も中国のトレイルランニングとTsaiguの大会の魅力を体験するため、このレースに参加しました。

スタートとフィニッシュは前日の105km、50kmと同じ、興善門広場。午前9時にスタートすると道路を走ってから、台州府城の北側の山の稜線に沿って設けられている城壁へと階段で登るのですが、たくさんの地元の皆さんが応援していました。選手の通行のために封鎖された道路を渡る際にも、電動スクーターに跨って通過待ちをするたくさんの人たちが「加油!」(ジャーヨウ)と声援を送ってくれたり、箱にいっぱいのみかんを用意した農家のおじさんがランナーにみかんを勧めていたりと、臨海の地元の皆さんにトレイルランニングとTsaiguの大会が受け入れられていることを実感します。

―城壁への階段を登り切って振り返ると、たくさんの応援の人たちが集まっている様子が見えました。

しばらく走るとトレイルに入って行きます。コースではたくさんの大会スタッフ、ボランティアの皆さんが選手の様子を見守っていたのも印象的でした。コースの分岐だけでなく、少し足元が滑りやすいところ、山頂付近の段差の大きい岩場の登り下り、といった具合にランナーとしてちょっと気をつけた方がいいなと感じる場所では、必ず大会のスタッフさんが声をかけてくれました。

―急な登りが続いて、ここからは下り基調となるがテクニカルなアップダウンを繰り返す。

周りのランナーに目を向けると男性も女性も、サロモンをはじめとするトレイルランニング・ブランドのウェアやバックパック、シューズを身につけています。私は7年前に中国の別のトレイルランニング大会を取材した経験がありますが、その時の写真を見返すと選手の中にはビニール袋のようなポンチョを被っていたり、蛍光カラーのシャツやカーフガードを身につけている人も少なくありませんでした。今回とは場所も天気も違うので客観的に比較できませんが、当時と比べると選手の装備はすっかり洗練されたように感じます。

さて、私のレースは日差しのせいで大汗をかいたせいか、途中からは両脚の攣りですっかりペースダウンしてしまいました。やっとの思いで、最後の600メートルほどは台州府城の歴史的な街並みの間を駆け抜けます。コースの両脇にはびっしりと応援の人たちが並び、その間をすり抜けるようにしてフィニッシュ。UTMBを思い出させる晴れがましい演出ですが、大きな冒険を成し遂げた余韻に浸らせてくれました。

レース後は完走賞のベストなどを受け取った後に補給ができるスペースへと移動するのですが、そこでの食事の充実ぶりにまたびっくり。水やスポーツドリンク、フルーツやクッキーだけでなく、フライドポテトや唐揚げ、さまざまなトッピングを選び放題のお粥、温かい豆乳、春巻きや肉まんといった蒸し料理、お好み焼きのような薄いパンケーキ、といった食事をより取り見取りで選ぶことができます。こうした食事はテントの裏側に設けた仮設のキッチンで調理され、でき立てが提供されています。中国の食文化ではでき立ての温かい状態で提供するのが常識とは聞いていましたが、トレイルランニングの会場で実践するのは大変なことでしょう。思い起こせば、レース中のエイドステーションでも水やコーラと並んで、温かいスープが提供されていました。

―レース後の休憩エリアでは充実した食事が用意されていました。

―食事はテントの裏で調理され、でき立てで提供されます。

【まとめ】少々ハードルは高いけれど、まだ私たちが知らないトレイルランニングの魅力的な世界が中国には広がっている

以上、前編と後編の2回にわたってTsaigu Trailで私が経験した、中国のトレイルランニング事情を紹介しました。コロナ禍の外出制限や2021年5月に甘粛省で多数の選手が亡くなった事故により、中国のトレイルランニングコミュニティ、特に大会主催者には厳しい時期があったはずです。今回も、大会前後のセレモニーでの主催者のスピーチや、大会当日の多数のスタッフを手厚く配置した運営体制からは、選手の安全を最優先としていることがよくわかりました。しかし、逆境を跳ね返すかのように中国のトレイルランニングは勢いよく盛り上がっています。

日本のランナーにとっては中国のトレイルランニングイベントに参加するのはそう簡単ではありません。中国にはたくさんの大会がありますが、大会の情報やトレイルランニングのメディアは微信(WeChat)や小紅書(シャオホンシュー)といった中国独自のソーシャルメディアを中心に発信されています。中国国外からのエントリーも受け付けていますが、大会運営自体はほぼ中国語のみで運営されているのが現状です。中国での滞在については、AlipayやWeChatPayといった中国のバーコード決済が日本のクレジットカードと紐付けて使えるようになって便利になりましたが、地図アプリやライドシェアといったサービスは中国のサービスを中国語で使う必要があります。臨海の街では英語で話しかけてもほとんど通じませんでした。一方で、コロナ禍以降は日本から中国への渡航に際してのビザ免除の停止が続いていたことが日本人の中国旅行の障壁となっていましたが、11月30日からビザ免除が再開されるのは明るい材料です。

一般ランナーもエリート選手も、大会主催者もメディアも、これほどまでのトレイルランニングへの熱意を感じられるのは世界を探しても中国だけです。今回、サロモンが国境を越えたトレイルランニングカルチャーの共有を呼びかけたことに、これから私も日本のトレイルランニングメディアの一つとして応えていきたいと考えています。

中国のトレイルランニング人気の高さはよくわかっているつもりでしたが、7年ぶりに訪れてその熱さに圧倒されました。

こんにちは。トレイルランニングのウェブメディア、DogsorCaravanを運営している岩佐幸一と申します。2024年11月に中国・浙江省で開催された、中国最大規模にして最も人気が高いといわれているトレイルランニングイベントにお招きいただきました。今回は私が見た最新の中国トレイルランニング事情を前編と後編の2回にわたって紹介します。

中国最大級にして、トレイルランナーなら一度は出てみたいという「Tsaigu Trail」

訪れたのは上海の郊外にある臨海(リンハイ)という町です。現在の浙江省の南部にあたる台州(タイジョウ)という地域の中心地として古くから栄えた歴史を持ちます。この町を外敵と水害から守るために4世紀から築造された城壁をもつ町並みは「台州府城」と呼ばれ、現在では中国政府から最上級の国家観光地に指定されると同時に、重要な文化資産として保護されています。

―選手はフィニッシュまで最後の600mは台州府城の歴史的街並みの中を走る。

日本から訪れる私たちは上海の浦東国際空港から臨海に向かいます。地図上では上海のすぐ南側に位置しているように見えるのですが、実際は300km以上離れており、車での移動時間はおよそ4時間。到着した臨海は高層ビルや巨大なショッピングセンター、ネオンサインが鮮やかな飲食店が立ち並ぶ近代都市で、古い街並みの観光地を想像していた私たちを驚かせます。景観が保護されている台州府城の東側に新市街が広がっており、臨海市全体では人口が120万人に達するとのこと。中国のスケールの大きさを実感します。

臨海は中国にたくさんある地方都市の一つですが、中国国内のトレイルランニングのコミュニティの間では誰もがその名を知り、一度は走りたいと憧れる大会が開催される特別な町です。その大会の名は「Tsaigu Trail」(柴古唐斯括苍越野賽)。2015年に57kmのコースを113人が完走して始まったこの大会は、2017年にサロモンのインターナショナル・エリートアスリートが参加した頃から(ちなみにこの年の95kmの部で丹羽薫選手が優勝しています)、中国におけるトレイルランニングの人気の高まりとともに大会として大きく成長します。今年の大会には105km、50km、25kmの三つのカテゴリーのレースに合わせて14,400人の参加申し込みがあり、抽選で選ばれた3,450人が参加しました。これは中国でも有数の大会規模であり、トレイルランニングの大会では最も人気の高いものの一つなのだそうです。

―フランスから参加したサロモンアスリートのフランソワ・デンヌをはじめ、海外からのゲストを招いたレセプションが行われた。

Tsaiguが注目されるもう一つの特徴として、その競技レベルの高さが挙げられます。中国でのトレイルランニング人気の高まりとともに、各地で開催される大会は優勝選手への賞金制度を設けるようになります。この賞金が才能ある選手がプロのトレイルランニング・アスリートとなる後押しをします。Tsaiguは中国で最も充実した賞金制度を設けていることから(今年の大会で105kmの男女それぞれの優勝選手へ日本円で約86万円、約740万円の賞金を贈っています)、この大会は中国のトップ選手による頂上決戦として、そしてプロ選手を目指す若手選手の登竜門として注目されるようになりました。

しかし、賞金だけで一般ランナーも含めた大会の人気を高めることはできません。Tsaiguが人気を集める理由の一つは、台州府城の歴史的な街並みを上手く活かして選手や観衆の気持ちを高揚させ、感動へつなげる演出に力を入れていること。もう一つは、選手受付からスタート、コース誘導、エイドステーション、フィニッシュまで数多くのスタッフやボランティアによる手厚い体制でレースが運営されていることから、全ての参加選手の満足度が高いこと。詳しくは次回の後編で紹介しますが、この二つに人気の秘密があるようです。

大会会場で出会った羅光平(ロ・グァンピン)さんはIT関係の仕事をしている45歳の男性。今回が初めてのTsaiguへの参加です。「最初はマラソンをしていましたが、昨年からトレイルランニングを始めました。この大会はコースがとてもやりがいがあるし、主催者がとてもしっかりしていると仲間から聞いていたので、ぜひ走りたいと思っていました。」と話します。52歳女性の高素麗(コウ・ソリ)さんは女性のランニング仲間とTsaiguにやってきました。トレイルランニングを始めた理由を尋ねると「山が好きで、走っていると癒されます。明日の105kmはケガなく安全第一で走ります。」を笑顔で答えてくれました。

ちなみにこの大会の中国語名「柴古唐斯」(チャイクータンスー)を中国語の辞書で調べても、地図で探しても見つけることはできません。この言葉は大会が開催される台州地方の古い方言で「お前を殴る」という意味なのだそうです。この大会はガツンと殴られる覚悟で参加しなくてはいけないほど厳しいコースが待ち受けている、ということなのでしょう。それほど難しい挑戦であることも、人気の理由の一つなのかもしれません。

中国、日本、韓国のトレイルランニング・カルチャーを語り合うという新鮮な経験

サロモンはTsaiguのパートナーとして大会を支えてきましたが、今年の大会会場では「トレイルランニングのカルチャーを考える」という企画「トレイルランニング・ショー」を開催しました。中国を代表するイベントであるTsaiguをきっかけにして、アジアパシフィック諸国のトレイルランニングコミュニティを繋げようというのがその趣旨です。大会会場の目の前にあるカフェを借り、その中庭にはアジアパシフィック地域の各国のトレイルランニングの代表的なイベントや最近のトレンドを紹介する写真やパネルが展示されていました。大会に参加する選手の皆さんが無料チケットでコーヒーを楽しみながら、そこで日本をはじめとする各国のトレイルランニングについて想いをはせていました。

―「トレイルランニング・ショー」の会場ではアジア各国のトレイルランニングについての展示も。

この企画の一環として各国のトレイルランニングのカルチャーについて、事情を紹介し合いながら語り合うというトークイベント、続いて中国で人気のポッドキャストの収録が行われました。これに日本のトレイルランニングメディアとして参加してお話しするというのが、今回の私のミッションの一つでした。

―トークイベントでは聴衆を前に筆者が日本のトレイルランニングカルチャーを紹介。

中国、日本、韓国のメディアやトレイルランニングコミュニティからパネリストを集めたトークセッションには台風で大雨にもかかわらず、たくさんの方が聞きにきてくれました。話題としては、トレイルランニングにおいても、ソーシャルメディアが大会やブランド、アスリートやインフルエンサーの主要なコミュニケーションのツールになっており、意見の形成や情報の拡散に大きな役割を果たしている点は、どこも共通していました。一方、中国についての話題では中国の中央部の位置する西安で秦嶺山脈でのトレイルランニングのコミュニティで、トレイルを保護する活動や、若い世代に山を安全に楽しむための知識や経験を提供しているという経験が印象に残りました。プロ選手が人気を集めるなどトレイルランニングが過熱気味の中国において、トレイルランニングを安全に自然環境を守りながら楽しもうという訴えることは、難しいでしょうが大事なことです。一方、韓国では日本と比べて20代や女性のランナーがトレイルランニングイベントに目立つことが話題になりました。これについては、主催者が初心者が安心して参加できるコースを設定したり、パーティのような雰囲気を作って会場に来ること自体を楽しめるようにしているとのこと。韓国では女性が大会の総責任者であることも少なくないそうです。

―続くポッドキャスト収録では、さらに突っ込んだ議論が交わされた。

今回のトークイベントは決して大規模ではありませんでしたが、私にとってアジアの各国のそれぞれの事情を紹介し合うのは新鮮な経験でした。トレイルランニングに限ったことではありませんが、アジア各国はそれぞれに大きなコミュニティが存在しながらも、主流となるソーシャルメディアが各国で異なるなど、国境を越えた情報収集や交流にはハードルが付きまといます。このハードルを越えようとするサロモンの試みが、これからも続くことに期待したいと思います。

―大会前日は大雨の中、多くの皆さんがサロモンのブースを訪れていました。

次回の後編では競技レベルが高いことに加えて、演出にも力が入っているレース本番、地元の皆さんに愛され、多くのボランティアに支えられる大会で経験したおもてなしを紹介します。お楽しみに!

現代的なマウンテンスポーツ・ライフスタイルを提案する『Salomon(サロモン)』は、
本日2024年11月 29日金曜日、日本の中心である東京都 新宿区に位置する Alpen TOKYOにウィンターギアを中心としたSIS(ショップインショップ)を オープンいたします。
展開するアイテムはスキー、スノーボード、スノーウェアはもちろんゴーグル、ヘルメット、グローブ、インナーやミドラーなどのアクセサリーまで幅広く展開いたします。

またオープ二ングを記念し、商品をご購入されたお客様に非売品グッズをプレゼントするキャンペーンを企画しております。
お近くにお住まいの方は是非ご来店ください!


店舗概要

Alpen TOKYO Salomon Winter SIS
所在地: 

東京都新宿区新宿3丁目23−7 ユニカビル8F

営業日:年中無休

店舗ホームページ:https://store.alpen-group.jp/alpentokyo/CSfTokyoTop.jsp?srsltid=AfmBOoqOoQudTuZlTw7y2nyj86iutqH7IGD_ILwXh4vBwWTLeQKP5j58

Instagram:
Alpen TOKYO
https://www.instagram.com/alpentokyo.trekking.winter/
Alpen スノーボードアドバイザー
https://www.instagram.com/alpen_snowboard/

■「Alpen TOKYO SIS」オープニングキャンペーン

・オープニングキャンペーン
サロモン商品のご購入いただいた方を対象にサロモン×Jeep®オリジナルタオルをプレゼント!※先着順 気になっているサロモン商品をキャンペーン期間中に是非ご購入ください。

・会員サービス「S/PLUS」
「S/PLUS」はアウトドアライフを豊かにするサロモンのメンバーシッププログラムです。商品購入やレビュー、イベント参加でためたマイル数に応じてステージが変動します。たまったマイルをクーポンに交換したり、特別イベントへご招待、さらには新商品の先行販売へのアクセスなど、メンバー限定の特典を多数ご用意しています。

・ご入会はこちらから
https://salomon.jp/pages/s-plus

現代的なマウンテンスポーツ・ライフスタイルを提案する『Salomon(サロモン)』は、
2024年11月 24 日木曜日、東海エリアの中心でスノーリゾートへのアクセスが便利な愛知県 Alpen NAGAYAにウィンターギアを中心としたSIS(ショップインショップ)を オープンいたします。
展開するアイテムはスキー、スノーボード、スノーウェアはもちろんゴーグル、ヘルメット、グローブ、インナーやミドラーなどのアクセサリーまで幅広く展開いたします。

またオープ二ングを記念し、商品をご購入されたお客様に非売品グッズをプレゼントするキャンペーンを企画しております。
お近くにお住まいの方は是非ご来店ください!


店舗概要

Alpen NAGOYA Salomon Winter SIS
所在地: 
愛知県名古屋市中区栄3丁目18-1ナディアパークビジネスセンタービル 5F
*地下鉄東山線「栄駅」 S7aもしくはS7b出口より南へ徒歩7分 地下鉄名城線「矢場町駅」 6番出口より西へ徒歩5分

営業日:年中無休

店舗ホームページ:https://store.alpen-group.jp/alpennagoya/CSfNagoyaTop.jsp

Instagram:
Alpen NAGOYA
https://www.instagram.com/alpennagoya.alpenoutdoors/
Alpen スノーボードアドバイザー
https://www.instagram.com/alpen_snowboard/

■「Alpen NAGOYA SIS」オープニングキャンペーン

・オープニングキャンペーン
サロモン商品のご購入いただいた方を対象にサロモン×Jeep®オリジナルタオルをプレゼント!※先着順 気になっているサロモン商品をキャンペーン期間中に是非ご購入ください。

・会員サービス「S/PLUS」
「S/PLUS」はアウトドアライフを豊かにするサロモンのメンバーシッププログラムです。商品購入やレビュー、イベント参加でためたマイル数に応じてステージが変動します。たまったマイルをクーポンに交換したり、特別イベントへご招待、さらには新商品の先行販売へのアクセスなど、メンバー限定の特典を多数ご用意しています。

・ご入会はこちらから
https://salomon.jp/pages/s-plus